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究極の肺炎診断法(^o^)?!

少し前になりますが、名古屋第二赤十字病院総合内科主催の『八事感染症セミナー』に行ってきました。野口善令先生、横江正道先生を中心として、毎回様々な勉強会を企画していただき、今回も楽しみにしていました。もちろん、期待に違わぬ内容でしたよ(^-^)

今回の講師は琉球大学大学院医学研究科第1内科の藤田次郎教授です。いつも思うんですが、沖縄って本当に感染症教育が盛んですよね。しかも、病歴や身体所見に根差した『プライマリ・感染症』の教育が充実してるように感じます。やはり早い時期から米国式の研修システムが始まっていたからでしょうか?今回の内容もまさにそういった内容でした。タイトルは「一般外来における呼吸器感染症の診断と治療問診、身体所見、および画像所見からです。ポイントをまとめておきますね。

問診

  • 咳が頑固:マイコプラズマ、クラミドフィラ
  • 痰の有無:細菌性肺炎の方が痰が多い
  • 鉄さび色:肺炎球菌
  • 干しブドウゼリー状の痰:クレブジエラ
  • オレンジ色の粘稠な痰:レジオネラ
  • 胸痛:胸膜まで炎症が波及

肺炎を疑う所見

  • 発熱(37.8度以上)
  • 呼吸数の増加(1分間に25回以上)
  • 1日中の喀痰排出
  • 筋肉痛と盗汗
  • 咽頭痛・鼻水がないこと

予後の悪い肺炎(PORTを参考に)

  • 高齢者(60歳以上)
  • 男性
  • 喫煙歴あり
  • 低栄養(アルブミン低下)
  • クレブジエラ(腸の常在菌→意識の悪い患者様が身体のあちこちを触って、その手を口に持っていき・・・)

肺胞性陰影の鑑別診断

  • 肺炎
  • 心原性、または透過性
  • 肺胞出血
  • 誤嚥(血液、脂肪)
  • 腫瘍(肺胞上皮癌、浸潤性リンパ腫)
  • 肺胞蛋白症
  • 間質性肺炎の初期

 

両側のholo-inspiratory crckle

  • 重症心不全、肺胞出血、重症肺炎

 

このあたりまでは、知っていて当然(?)かもしれませんね。ここから先は、気道の解剖を踏まえた、『知っていると差がつく知識』です(^◇^) まずは基本的な解剖を押さえておきましょう。上の図が下気道のシェーマ、下の図は気管支のミクロ像です。

 

  • 気管分岐部は胸骨角に一致し、2cmごとに20分岐で肺胞に到達する(肺胞の数は3億!)
  • 線毛大好き病原体→百日咳マイコプラズマクラミドフィラ・ニューモニエ→線毛にくっついて動きが悪くなる→咳が頑固!
  •  マクロファージ大好き病原体→レジオネラクラミドフィア・ニューモニエ(自然界ではアメーバ内に生息。人体では似たような環境であるマクロファージ内に生息。)

このすみ分けは結構大切で、画像上でも違いが出てきます。つまり、線毛大好きのマイコプラズマなどは気道の最末端である肺胞までは病変が及びにくいため、よくみると病変が胸膜まで及んでいないことが多いです。これは抗菌薬の選択の上で重要な情報です。

 

大葉・小葉・細葉による起炎菌の推定

  • 大葉性肺炎(手のひら):肺炎球菌、クレブジエラ、レジオネラ
  • 小葉性肺炎(親指):インフルエンザ桿菌、黄色ブドウ球菌、マイコプラズマ
  • 細葉単位(肉芽腫)(ペン先):結核、非結核性抗酸菌症、(真菌症)

 

これだけ知っているだけで、救急外来でちょっと差をつけられるような気がしませんか?「咳がヒドいねぇ~。ってことは線毛の動きが悪くなっているんだろうな。CTでは比較的広めの浸潤影があって胸膜までは届いてないみたいだし・・・マイコプラズマっぽいな。マクロライド系の抗菌薬でいこう。」みたいな(^v^)

 

ちなみに、『インフルエンザウイルス感染症に伴って肺炎を合併しやすいハイリスク・グループ』についても触れられていたので挙げておきますね。

  • 介護施設、老人ホームなどへの入居者
  • 65歳以上
  • 妊婦、および出産直後
  • 呼吸器疾患(喘息)を有するもの
  • 心疾患(高血圧単独は除く)を有するもの
  • 悪性疾患を有するもの
  • 腎疾患を有するもの
  • 慢性肝疾患を有するもの
  • 糖尿病を有するもの
  • 血液疾患(ヘモグロビンの異常)を有するもの
  • 免疫抑制状態にあるもの
  • 気道のクリアランスを悪化させる神経疾患

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