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知らなきゃ損する!・・・患者様が(ToT)

外来の経験が増えてくると、突き当たる“壁”があります。「そういえば先生、この前腰が痛くて接骨院(多分整形外科)に行ったら、骨がぺちゃんこになっているって言われましたよ。」――患者様としては話のついで程度に言われていることが多いようですが、これ、半分は主治医の責任です。すみませんm(_ _)m 何も症状のない段階から発症の可能性を考え、予防投与をしておくべきなんです。プライマリケア医の努めだと分かっているのですが・・・言い訳になってしまいますが、症状のない患者様に検査をして、決して安くない薬を飲んでいただくのは、結構大変な作業です(^_^;)

 

さて、骨粗鬆症。『骨強度が低下し、骨折の危険が高まる骨格疾患』と定義されています。骨強度は骨密度と骨質により規定されますが、後者は臨床的に測定することは困難で、通常は骨密度のみで評価されます。一般的にはエストロゲン低下により骨吸収が亢進され、骨吸収>骨形成となった場合や、骨吸収を抑制する男性ホルモンの低下により海綿骨の骨吸収増加・皮質骨形成低下した場合、もしくはカルシウムやビタミンDの欠乏などが原因です。ただ、最初に行うことは、続発性骨粗鬆症(内分泌性:副甲状腺機能亢進症甲状腺機能亢進症、神経性食思不振症、性腺機能低下症、Cushing症候群、糖尿病/栄養・代謝障害:慢性腎疾患、ビタミンD/A過剰、ビタミンC欠乏、栄養障害、アルコール依存症/薬剤性:MTX、ステロイド、SSRI、ワルファリン、ヘパリン/その他:関節リウマチ、COPD、多発性骨髄腫、白血病、骨転移)の否定です。

 

ま、細かい話は成書を読んでいただくとして、ここからは診断・治療を。これには、骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編集の『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2011年版)』が、質・量ともに非常に充実しています。疾患の特徴からメタアナリシスが組みやすいという特徴があるからだとは思いますが、他のガイドラインに比べて、エビデンスレベルの高い報告が多いようです。診断に関しては、以下のアルゴリズムに則って行います。

図1

〈骨粗鬆症・診断アルゴリズム〉

非常にわかりやすい診断アルゴリズムですよね(なんかさっきからガイドラインの(」・ω・)」ばかりしている気が(汗))。ちなみにここで勧められている医療面接は①受診目的、②症状およびADL、③年齢および閉経時期、④既往歴および現在治療中の病気、⑤過去の骨粗鬆症検査の有無および結果、⑥骨粗鬆症および骨粗鬆症骨折の家族歴、⑦骨折の既往、⑧食事内容、⑨嗜好品、⑩運動の頻度および程度、⑪子供の有無です。

 

『WHO骨折リスク評価ツール(FRAX®)』は、①年齢、②性別、③体重、④身長、⑤骨折歴、⑥両親の大腿骨骨折歴、⑦現在の喫煙、⑧糖質コルチコイド、⑨関節リウマチ、⑩続発性骨粗鬆症、⑪アルコール摂取、⑫大腿骨頸部骨密度(任意)の12項目から、今後10年間に起こる骨折リスクを評価するものです。対象は40歳以上で、ガイドラインでは15%以上の場合はすぐに治療を開始することを推奨しています。

 

治療のエビデンスも豊富です。使いやすいので、以下の表はコピーして白衣のポケットに入れておきたいところです(^-^)

kotusosyousyou

欧米では従来よりエストロゲン製剤が第一選択でしたが、この表ではイマイチの評価です。一般の方からしたらイメージ的に効きそうなカルシウム製剤も×。それに対して、活性型ビタミンD3製剤のグレードがあがっており、特に2011年に新規承認されたエルカルシトール(エディロール®)は、安全性も高く薬価もそれほど高くありませんので、第一選択にしてもよいのではないでしょうか。もちろん、ビスホスオネートは相変わらず高いエビデンスレベルを誇っています。また、2010年に承認された骨形成を促進するテリパラチド(フォルテオ®)と新しい選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM;エビスタ®、ビビアント®)も、今後の治療戦略から高い位置づけがされていくと思います。ただ、現時点でテリパラチドについては「ビスホスホネート製剤やSERMなどの治療でも骨折を生じたり、高齢で複数の椎体骨折や大腿骨近位部骨折を生じたり、著しい骨密度低下がみられるといった場合に使用が勧められる」と注意書きがあることは覚えておきましょう

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