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ADAを武器にしよう!

結核・・・難しいですね。総合診療というシチュエーションだからかもしれませんが、個人的に「いやぁ~、今回はすっきり診断がついたなぁ」何て経験があまりありません。クオンティフェロン(これに関しては別の項で書きたいと思います)が登場してから、ますます診断に迷うようになってしまいました。

 

先日、髄液のアデノシンデアミナーゼ(adenosine deaminase;以下ADA)の値の評価が話題になりました。もちろん、『ADA陽性=結核』という訳ではありませんが、その解釈を覚えておくとこは、結核診断において重要です。

 

まずは髄液ADAの評価。

 

・結核性髄膜炎におけるADAのカットオフ値に関する報告はまちまち。
・PMID:17333738 Southeast Asian J Trop Med Public Health. 2006 Sep;37(5):948-52.では、カットオフ値を15.5 U/Lとした場合の感度75%、特異度93%
・PMID:16571142 Cerebrospinal Fluid Res. 2006 Mar 30;3:5.では、カットオフ値を11.39 U/Lとした場合の感度82%、特異度83%

 

メタアナリシスに関してはあまりありませんが、以下のスタディは結構充実しています。

Tuon et al. Adenosine deaminase and tuberculous meningitis—A systematic review with meta-analysis. Scand J Infect Dis (2010) vol. 42 (3) pp. 198-207

・ADAが1~4 U/Lで感度93% 、特異度 80%
・ADAが4~8 U/Lは十分な感度・特異度を示すデータなし
・ADAが8 U/L以上なら感度59% 、特異度 96%

『4以下ならかなり否定的で、10以上ならかなり可能性が高い』といった解釈がいいのかな、という印象です。

 

次に胸水ADAについて。こちらは色々な報告があります。

Differential Diagnosis of Tuberculous and Malignant Pleural Effusions: What is the Role of Adenosine Deaminase? Lung 21 March 2008

・ADAのカットオフ値が49U/Lで感度89.2%、特異度70.4%・ADAのカットオフ値が16U/Lなら感度100%
ADAの胸水/血清比は、カットオフ値を1.7とすると、感度84.6%、特異度72.2%

結核性胸膜炎における治療のゴールドスタンダードは胸膜生検ですが、次に有用なのはADAかもしれませんね。

 

ついでに腹水ADAも。

・33U/L をカットオフ値とした場合、感度は100%,特異度96.6%

Dwevedi M, Misra SP, Misra V, Kumar R:Value of Adenosine Deaminase Estimation in the Diagnosis of Tuberculous Ascites. Am J Gastroenterol 1990;85:1123―5.

・メタアナリシスでは、カットオフ値を39 IU/Lの場合の感度100%、特異度97%

Riquelme A, et al: Value of adenosine deaminase (ADA) in ascitic fluid for the diagnosis of tuberculous peritonitis: a meta-analysis. J Clin Gastroenterol. 2006 Sep; 40(8): 705-10.

・肝硬変を合併した結核性腹膜炎の患者ではADAの感度が下がる。

Hillebrand DJ, et al: Ascitic fluid adenosine deaminase insensitivity in detecting tuberculous peritonitis in the United States. Hepatology. 1996 Dec; 24(6): 1408-12.

 

結核の診断は『検査前確率に検査の特異性を掛け合わせて、少しでも検査後確率を上げる(下げる)』作業の繰り返しです。是非ADAを武器にしましょう。

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