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出来る“風”の神経診察

研修医の先生に「神経診察って得意?」って聞いたら、多分意見は真っ二つに分かれるんじゃないかと思います。「すっごく、苦手です!」と「あんまり得意じゃないです」・・・得意な先生ゴメンナサイ(^_^;) でも、「メチャクチャ得意です!」って言う先生ってなかなかいないんじゃないですかね。「お酒飲める?」「(飲めるんだけど)たしなむ程度です」みたいな感じで(笑)。なぜこんな現象が起きてしまうかというと、“神経診察が出来る”=“神経診察の達人”みたいなイメージがあるからじゃないかと思います。正直に言うと、管理人は「すっごく、苦手です!」グループです(^_^;) でも、そんな管理人も今まで何とか乗り切ってきた『出来る“風”の神経診察』を紹介します。以前medicinaに載っていた確かなものなのでご安心下さい(^-^)

 

〈高次機能診察〉

会話で済ませまちゃいましょう。

 

「○○さん、以前はどんなお仕事をされてたんですか?」

→「随分前に退職したんですけど、昔はト○タの下請け会社のラインで働いていました」

長期記憶問題なし→『側頭葉外側』は大丈夫

 

「今日はもう食事を食べられましたか?」

→「はい、診察前の血液検査が終わってから、院内の食堂で食べてきました。」

短期記憶問題なし→『側頭葉内側』は大丈夫

 

「これで診察を終わります。お大事にして下さいね。」

→「いつも本当に有難うございます。では、失礼します。」

礼節が保てている→『前頭葉内側』は大丈夫

 

「兵隊さんの敬礼をしてみて下さい」→可能

「(敬礼をしながら)同じようにやってみて下さい」→可能

観念運動失行なし→『頭頂葉』は大丈夫

 

〈脳神経診察〉

意識が清明なら角膜反射、睫毛反射、嘔吐反射は省略しましょう。

 

Ⅱ:片目ずつ評価(患者様自身に片目を隠してもらう)

・対座して正面をみていてもらう。2箇所に手を持っていき、片方を動かす。「どっちが動いていますか?」これを4方向で。

・対光反射正常:眼球→視神経(Ⅱ)→中脳→動眼神経(Ⅲ)の副交感神経は大丈夫

 

Ⅲ,Ⅳ,Ⅵ:眼球運動で評価

 

Ⅴ:V1‐3の触覚のみ評価(痛覚のみの脱落は稀)

 

Ⅶ:歯を見せて笑顔を作ってもらう→眼輪筋、口輪筋、鼻唇溝の動きを確認

 

Ⅷ:耳元で指をすりすり→左右差を確認

 

Ⅸ,Ⅹ:開口してもらい「あー」→口蓋垂、軟口蓋挙上の左右差を確認

 

Ⅺ:肩を持ち上げてもらい、その両肩を押す→胸鎖乳突筋・僧帽筋の確認

 

Ⅻ:舌を出してもらい左右差を確認

 

〈運動の評価〉

 

上肢はBarre徴候、下肢はMingazzini試験で代用(ただし、近位の粗大筋の評価のみ

 

〈腱反射の評価〉

 

二頭筋、三頭筋、腕橈骨筋、膝蓋腱、アキレス腱の反射を確認(実は、患者様からみて一番プロっぽい診察の一つなんです(^-^))

 

〈感覚神経の評価〉

 

四肢を触って左右差を確認(本当なら脊髄後索と脊髄視床路の2つを評価するために振動覚と痛覚を確認するのが理想だが、色々な要素が混ざっている触覚で大雑把に代用)

 

〈協調運動の評価〉

 

指鼻試験と膝踵試験。これは必須!

 

〈錐体外路症状の評価〉

 

不随意運動、手関節・肘関節・膝関節の固縮を確認

 

〈+αの評価〉

 

片麻痺があれば+αの診察として下肢のBarre徴候(腹臥位で、両膝関節を135度程度に保持してもらう)、第5指徴候(Barre試験の要領で両手を前方に保持すると、麻痺側の第5指が外側に逸れる)、くぼみ手(強く手を開くと、手掌がくぼむ)あたりを追加すると、さらにプロっぽくなります(´∀`)

 

どうしても時間がない!そんな時は歩いてもらいましょう(歩くためには錐体路、協調運動、固有感覚、錐体外路、大脳高次機能が正しく機能する必要があります)。

 

ここまで確認すれば十分でしょう。もちろん、正確な所見がとれることは大切ですが、仮に正確な所見がとれなくても、こういった丁寧な診察を行うことで、患者様に安心感を持っていただくことも大切なんじゃないかと思います。 Neurology examination. Isolated.

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