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“ステロイド”アレルギー?

昨日、院内のウェブカンファがありました。直前まで知らなかったので特に期待せずに参加したのですが、非常にためになりました。タイトルは感染症診療におけるステロイドの是非・・・みたいな感じだったかな(“ためになった!”と言ってるわりにウロ覚え(汗))?講師は琉球大学第一内科教授の藤田次郎先生でした。ポイントを以下にまとめます。

 

・ステロイドの役割は、大暴れしたゴジラの後の消火隊

 

・・・で、その火は誰が消すんだ?

・非定型肺炎やインフルエンザ肺炎は血流の多い下肺に多い→上肺野に浸潤影があればサイトカインストームを疑う→ステロイド

・マイコプラズマは繊毛が大好き。繊毛の多い終末細気管に入りこんで炎症を起こす(呼吸細気管には繊毛ナシ)→陰影が胸膜まで及んでいたらおかしい!大葉性肺炎パターンなら免疫反応によるものを考える→ツ反が陰転化する(Th2 inflammation pattern)→ステロイド

・レジオネラ肺炎は、自然界ではアメーバ内に生息。人体内ではマクロファージ内に取り込まれるが、一部がⅡ型上皮細胞に感染しアポトーシスを起こす→広範囲に障害が起こりARDS→ステロイド

・H1N1インフルエンザではARDSや免疫抑制が起こる可能性あり→肺構造の重篤な障害はアスペルギルス感染のリスクになる。また、ARDSに対するステロイド使用も感染のリスクになり得る

・大葉性肺炎なら肺のボリュームが増えるハズ。増えていないなら器質化肺炎(肺のケロイドみたいなもの)を考える→ステロイド

・肥満の人(脂肪細胞が多いヒト)は、脂肪細胞からサイトカインが出易いため、サイトカインストームが起こりやすい

・粟粒結核に広範囲の浸潤影→ゴジラが大暴れした後→ステロイド

 

そして、もっとも大切なのが、藤田先生も引用されていたMcGee S et al. Arch Intern Med 168: 1034-1046, 2006の『感染症におけるステロイドの役割』です。これだけでも押さえておけばレベルアップです!

Group1:ステロイド治療で死亡率改善
細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、結核性心外膜炎、重症のチフス熱、破傷風、中等症・重症のカリニ肺炎

Group2:ステロイドで長期効果あり
化膿性関節炎

Group3:ステロイド治療で症状コントロール
帯状疱疹、伝染性単核球症、クループ、肺炎球菌性肺炎、咽頭炎、扁桃周囲膿瘍、蜂巣炎、慢性滲出性中耳炎、肺結核、リンパ節・気管支結核、結核性胸膜炎

Group4:ステロイド治療無効
急性細気管支炎、ウイルス性出血熱、百日咳、重症市中肺炎(ICUケア)

Group5:ステロイド治療が有害
ウイルス性肝炎、脳マラリア

 

こうみると、ステロイドは怖がらずにどんどん使わなきゃダメですね。

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