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近未来のC.difficile治療?!

オリンピックが東京に決まりましたo(^▽^)o いやぁ~嬉しいですね~。 「トッキョー!」のところで思わずガッツポーズしちゃいました(^-^) 日本にとって久しぶりの明るいニュースですよね。福島の問題や消費税の問題やら色々言われていますが、まずはこの状況を楽しみましょう(・∀・)

 

トッキョー

 

で、全く関係ないのですが、今回はClostridium difficile感染症の話。以前もこのブログで書かせていただきましたし、医局のメインページの「ジャーナルクラブmemo」でも取り上げられていますが、もう一度おさらいしておきます。C.difficileはヒト腸内の常在菌の嫌気性グラム陽性菌です。健常成人の5%、及び乳児の3分の2は無症候性に消化管内に保菌しているといわれ、保菌率は65歳以上で高くなります。産生する外毒素によって引き起こされる疾患をClostridium difficile infection(以下CDI)といい、その重症型が偽膜性腸炎と位置付けられています。外毒素には腸管毒素のトキシンAと細胞毒素のトキシンBの2種類がありますが、トキシンBはトキシンAよりも10倍毒性が強いといわれており、臨床上はトキシンBの検出が重要です。CDI全体の30%に発熱がみられ、消化器症状を伴わないこともあることから、不明熱の原因とされていることも多い疾患です。抗菌薬別のCDI発症リスクを検討したメタ分析によれば、クリンダマイシンやキノロン系、あるいはセファロスポリンなどがハイリスクと報告していますが、印象としてはぶっちゃけ何でもアリです。

 

Deshpande A, et al. Community-associated Clostridium difficile infection and antibiotics: a meta-analysis.: J Antimicrob Chemother.2013 Sep;68(9):1951-61. doi: 10.1093/jac/dkt129. Epub 2013 Apr 25.

 

今回は、こんなCDIの最近のトピックスについて。

 

まずは有名な方。再発性CDIに対して、健康成人の便を十二指腸注入することの検討です。バンコマイシンによるCD除菌率は初回で60%程度で、その後どんどん除菌率が低下していくと言われています。健常者の便の注入が再発性CDIに有効だという報告は、ここ数年ちらほら見られていましたが、いずれもエビデンスレベルの高くないものでした。2013年にN Engl J Medに報告されたものは、小規模ながらランダム化された初めての報告だと思います。この研究では、まずすべての患者(43名)にバンコマイシン投与(500 mg経口で1日4回を4日間)を行い、その後①腸洗浄後にドナーの便の溶液を経鼻十二指腸チューブで投与する群、②標準的なバンコマイシン投与(500 mg経口で1日4回を14日間)群、③標準的なバンコマイシン投与と腸洗浄を行う群、の3群にランダムに割り付けました。エンドポイントはCD感染による下痢が軽快し10週後まで再発がないこととなっています。その結果、①の群では81%が最初の注入後にCD関連の下痢が軽快しましたが、②の群では31%に、③の群では23%にとどまりました。②と③の確率に関してはまだ検討の余地がありそうですが、少なくとも、再発性のCDI治療として、ドナーの便注入はバンコマイシン投与に比べて有効であるといえそうです

 

van Nood E,et al. Duodenal infusion of donor feces for recurrent Clostridium difficile. N Engl J Med. Published online, January 16, 2013.

 

もうひとつは、昨年末にBritish Medical Journalのクリスマス特集で掲載されたオシャレな(?)報告。「犬にCD感染を検出してもらおう!」というものです。 2歳のビーグル犬に2ヵ月間の訓練を行ったあと、①便検体(陽性50 vs 陰性50)、②患者(患者30 vs 対照270)を嗅ぎ分けさせる研究を行いました。②の研究は、答えを知らないトレーナーがビーグル犬を病室に連れて行き、各病室にいる10人の患者(1人が感染者、9人が対照)に対して、感染者を見つけたらその場に座るか伏せをするといった、何とも微笑ましいものです。その結果ってどうだったと思います?何と、①の便検体を対象とした場合の感度・特異度はともに100%!、②の患者を対象とした場合は、感度83%・特異度98%と、極めて高い診断精度を持っていました。CDトキシンの検査には3日程度を要するうえに、感度も70~80%程度。早期に発見しないと感染拡大を招く恐れもありますので、この試験の診断特性は特筆ものですo(^▽^)o

 

Bomers MK et al. Using a dog’s superior olfactory sensitivity to identify Clostridium difficile in stools and patients: proof of principle study. BMJ. 2012 Dec 13; 345: e7396.

 

近い将来、週に一回の“お犬様回診”があって、検出された時は容赦なく健常者の便が流し込まれる・・・なんて日が来るかもしれませんね(*゚∀゚*)

 

 かいしん

 じゃ、回診始めようか・・・

 

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