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今更ながら“Surviving Sepsis Campaign 2012”

最近、セミナーがどうだとかオリンピックがどうだとか、ちょっと一般臨床から離れた(現実逃避した(–;)?!)内容が多くなっていましたので、ここら辺りでちょっと頑張ってみます(^-^) 昨年改訂された“Surviving Sepsis Campaign 2012” (以下SSC 2012)についてです。

 

ご存知の通り、SSCはヨーロッパで行われた無作為化比較試験の結果をもとにsevere sepsis,septic shockに関する診断法、管理法、治療法に関して各種の推薦を提示しているものです。2004年に初版が発表され、2008年に改定版、そして2012年のSociety of Critical Care Medicine, Annual Meetingで第3版が発表されました。ぶっちゃけ、2008年とそんなに変わってなさそうなんですが・・・乳酸値の測定、昇圧剤の使用、HES(Hydroxyethyl starch)の有用性などが変更されています。

 

Surviving Sepsis Campaign: International Guidelines for Management of Severe Sepsis and Septic Shock: 2012

 

ポイントをどんどん挙げていきますので、流し読みだけでもしていただければ嬉しいです。まずは、初期対応から診断までいっきにいきましょう!

 

1. 早期治療の実現のために、潜在的に重症敗血症の可能性がある患者はルーチンでスクリーニングを行う (grade 1C)。

2. 乳酸値を測定する

3. 抗菌薬の開始が45分を超えるといった有意な遅れがなければ、抗菌薬投与前の培養検体採取は臨床的に適切である(grade 1C)。

4. 血液培養を2セット以上(好気ボトルと嫌気ボトルの両方)採取する。少なくとも1セットは経皮的に、もう1セットは挿入後48時間未満であれば血管内カテーテルから採取してもよい(grade 1C)。

5. 感染症の原因として侵襲性カンジダ症を考慮する場合は、1,3 β-Dグルカン (grade 2B) 、マンナン抗原および抗マンナン抗体(grade 2C)を測定してもよい。

6. 潜在的な感染源の検索のため画像検査を迅速に行うべきである。

7. 低血圧、もしくは乳酸値>4mmol/Lの場合:(a)晶質液1,000ml or 膠質液300~500mlを初期輸液量として30分以内に点滴する、(b)平均動脈圧≧65mmHgを維持する(初期輸液に反応しない場合はノルエピネフリンもしくはドパミンを使用する)。

8. 初期輸液にも関わらず低血圧が持続する、もしくは乳酸値>4mmol/Lの場合:(a)中心静脈圧>8mmHgとする、(b)中心静脈血酸素飽和度≧70%、もしくは混合静脈血酸素飽和度≧65%とする。

9. 静脈血酸素飽和度が上記を達成できない場合:(a)輸液をさらに行う、もしくはヘマトクリット≧30%を目標に濃厚赤血球を輸血する、(b)ドブタミンを最大20μg/kg/minまで使用する。

10. 尿量≧0.5mL/kg/hrを目標とする

☆上記7‐10を、6時間以内に達成する(grade1C)

11. 乳酸値が上昇している患者では正常乳酸値へ戻すよう蘇生をはかる(grade 2C)。

 

まずは、とか言いながらこの時点でかなりのボリューム・・・(^_^;)

 

次は、抗菌薬投与に関するポイント。

 

12. 敗血症性ショック(Grade1B)や重症敗血症(Grade1D)に対する抗菌薬の経静脈的投与は、発症1時間以内に開始すべきである

13. 抗菌薬投与前の適切な培養検体採取が推奨されているが、それにより抗菌薬の迅速な投与が妨げられるべきではない(Grade1D)。

14. 初期治療には、原因と考えられる細菌/真菌/ウイルスに対して有効であり、敗血症の感染原因と推定される組織へ十分に移行する感染症治療薬を1つ以上選択する (grade 1B)。

15. 有効性の最適化、耐性菌出現の抑制、毒性の軽減や経費の最小化のために抗菌薬の投与計画を日々見直すべきである(Grade1C)。

16. 初期に敗血症と判断したものの後に感染の根拠が乏しいと判断したときは、プロカルシトニンや同様のバイオマーカーが低値であることをエンピリック治療を中止するために使用してよい(grade 2C)。

17. AcinetobacterやPseudomonas spp.といった難治性多剤耐性菌による感染症、あるいは好中球減少による重症敗血症が疑われる患者には、P. aeruginosa菌血症をカバーするため広域のβラクタムにアミノグリコシドまたはフルオロキノロンを併用すべきである(grade 2B)。Streptococcus pneumoniaeの菌血症を伴う敗血症性ショックの場合、βラクタムとマクロライドを併用すべきである(grade 2B)。

18. 重症感染症の患者に対する併用療法は3~5日以内にとどめることが望ましい.感受性が分かれば、すぐに最適な単剤療法へ変更すべきである(Grade2D)

19. 投与期間は通常7~10日程度にとどめる.しかし、臨床的に効果の乏しい場合やドレナージ不能な感染巣がある場合、免疫不全状態の場合はこの限りではない(Grade1D)

20. 臨床症状の原因が感染でないと判断した場合は、即座に抗菌薬治療を中止するべきである(Grade1D)。

 

やっぱ情報量多いな~(´・_・`)

 

最後は、その他のポイントをかいつまんで。

 

21. 重症敗血症や敗血症性ショックの患者の初期蘇生には晶質液を用いるべきである (grade 1B)。hydroxyethyl starches(HES)を用いるべきではない(grade 1B)。

22. 蘇生に晶質液を大量に必要とする重症敗血症や敗血症性ショックの患者に対してはアルブミンの点滴を行う(grade2C)。

23. 敗血症による組織低灌流と血管内容量減少のある患者の初期輸液は、晶質液を最低でも30ml/kg以上投与すべきである(一部、相当量アルブミンで代替可能)。患者によってはより早い速度でより大量の輸液が必要となる(grade 1C)。

24. 昇圧剤は、平均動脈圧(MAP)65mmHgを目標に投与する(grade 1C)。昇圧剤の選択はノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が第一選択である(grade 1B)。十分な血圧が保てない場合は(ノルアドレナリンに追加、もしくは潜在的代替薬として)アドレナリンを用いる(grade 2B)。低用量ドパミンを腎保護作用目的で使用すべきではない (grade 1A)。

25. (a)心筋機能障害が示唆される場合、(b)十分な血管内容量と適切なMAPであるのに組織低灌流が持続している徴候がある場合、昇圧剤に加えてドブタミンを20μg/kg/分で投与してよい。 (grade 1C)。

26. ショックが持続する場合は、ストレス用量のヒドロコルチゾン(200mg/day程度)投与を考慮する(grade 2C)(適切な輸液と昇圧剤によって血行動態が安定した成人の敗血症性ショック患者ではヒドロコルチゾンを静脈内投与すべきではない)。ヒドロコルチゾンの投与を行う場合、持続投与で行う(grade 2D)⇒『敗血症ならステロイド?』

27. 成人の敗血症性ショック患者にヒドロコルチゾンを投与すべきかどうか判断するためにACTH負荷試験を行うべきではない(grade 2B)。

28. 重症敗血症患者に対し2回連続で血糖が180mg/dlを超えれば、すみやかにインスリンの投与を行う (grade 1A)。血糖値とインスリン投与量が安定するまでは1~2時間毎に血糖を測定し、安定すれば4時間毎に測定すべきである(grade 1C)(デキスターチェックは、実際の血漿の数値を反映しないことがあり、解釈に注意が必要)。

29. 組織低灌流が改善し心筋虚血や重度の低酸素、急性出血、虚血性心疾患などがなければ、輸血はヘモグロビン<7.0g/dLにのみ行い、7.0-9.0g/dLを目標値とする(grade 1B)。

30. 血小板を以下に従って投与する。(a)<5,000/μLのとき、(b)<30,000/μLで出血のリスクがあるとき、(c)手術や侵襲的手技を行う場合は≧50,000/μLを目標に投与

31. 出血や侵襲的な処置の予定がなければ、凝固異常補正を目的とした新鮮凍結血漿の投与は行うべきでない (grade 2D)。また、重症敗血症や敗血症性ショックの患者の治療にアンチトロンビン製剤を使用すべきではない(grade 1B)。

32. 32.重症敗血症や敗血症性ショックの患者の治療に免疫グロブリンの静脈内投与を行うべきではない(grade 2B)。

 

まだまだいっぱいあるのですが、管理人自身も気力が萎えてきたので、今回はここまで(๑≧౪≦)

 

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