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高齢者医療には“CGA”!

御高齢の患者様の診療には、かなり高い診療技能が必要になります。背景に様々な疾患をもっていることはもちろん、ちょっとしたストレス負荷で急激に状態が悪化する脆弱性もあります。また、認知機能の低下や「こんなこと言ったら申し訳ない」といった、日本人の美徳である“奥ゆかしさ”のため、病状を正確に把握することが難しいのも問題です(『奥ゆかしき大和撫子・・・でも(>_<)!』もご覧下さい)。日本医事新報の8月号に掲載されていた『高齢者へのアプローチ』を中心にまとめてみました。

 

・高齢者診療のアプローチは、ありふれた外来診療の中で「あれっ、何か気になる」に立ち止まること。特に、身体機能が低下している「虚弱高齢者(frail elderly)」に要注意!

・虚弱高齢者の生活機能に影響を及ぼす主な問題点は「老年医学の巨人(geriatric giants)」と呼ばれる(geriatric giants; 移動困難、転倒、失禁、認知機能低下、医原性、視力障害、聴力障害、低BMI、うつ、社会的孤立、等)

・多岐に渡る虚弱高齢者の評価は、『高齢者総合機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment; CGA)』を利用する。CGAは『ベースラインの評価』『専門家による評価』『問題点のまとめ』『介入』のサイクルの繰り返し(POMと同じですね(^-^))

・『ベースラインの評価』には“身体機能”“認知機能”“社会的支援”を把握することが必要

 

☆身体機能“DEATH”+“SHAFT”で評価

DEATH:ADLの評価

 ・D:Dressing(着替え) 「着替えが一人でできますか?」

 ・E:Eating(食事) 「食事は一人で食べられますか?」「介助は必要?」「形態は?」

 ・A:Ambulating(歩行) 「一人で散歩できますか?」「屋外歩行は?」「杖は?」「伝い歩き?」

 ・T:Toileting(排泄) 「トイレまでいける?」「ポータブルトイレ?」「おむつ?」

 ・H:Hygiene(入浴等) 「入浴はどうしている?」「歯磨きは?」

 

SHAFT:IADLの評価

 ・S:Shopping(買い物) 「買い物で困ることはありませんか?」

 ・H:Housework(掃除や片付け) 「掃除は一人でしていますか?」

 ・A:Accounting(お金や財布の管理) 「お釣りの計算で困ることはありませんか?」

 ・F:Food Preparation(炊事) 「自分で食事の用意はできますか?」

 ・T:Transport(外出) 「交通公共機関は利用していますか?」

 

☆認知機能3-Itemテスト改訂版長谷川式簡易機能評価スケール(HDS-R)など

 

メガネ、電卓、本など3つの名前を言う

        ↓

その場で患者に繰り返し言ってもらう

        ↓

「後でもう一度聞きますので、覚えておいて下さい」

        ↓

診察後に「先程の3つの物の名前を教えて下さい」

 

これでひっかかるようなら、より詳細なHDS-RMMSE (Mini-Mental State Examination)での評価にうつりましょう。ちなみに、仮にアルツハイマー病を疑った場合は、以下のようなテストで、簡単に検査前確率を上げることができます。

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もちろん、老年性うつ病、甲状腺機能低下症、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、薬剤、ビタミン欠乏など治療可能な認知症(treatable dementia)の否定を忘れずに!

 

☆社会的支援

 ・経済的状況:余裕がある?自分の生活は大丈夫?援助が必要?

 ・婚姻状況:配偶者あり?離婚?死別?未婚?

 ・家族状況:子供と同居?近隣に子供は?独居?施設入所中?

 ・家族関係:親密?遠方?疎遠?

 ・集団行動:積極的?可能?消極的?拒否?

 ・教育歴:中卒?高卒?大卒?中退?

 ・職歴:現役?引退して何年?専業主婦?

 

御高齢の患者様を診るには『人間力』が必要になります。「じゃあ、明日までに人間力を高めておこうo(^o^)o」なんて都合よくはいきませんので、CGAを効率よく使っていきましょう。

 

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