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猫も杓子もTPP・・・

世の中TPP (Trans-Pacific Partnership)で大騒ぎです。このTPP、もともとは2006年にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に加盟していたシンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリの4か国が締結した経済連携協定にアメリカが参加。それにつられて(?)オーストラリア、ペルー、マレーシアが参加し、カナダ、メキシコ、中国、韓国が「俺も俺も」と手を挙げている、太平洋を囲む国々の国際協定です。簡単に言ってしまえば『2015年頃までに関税を取っ払って、人、物、サービス、金が自由に行き来するようにしましょう』という、“太平洋版EU”といったところでしょうか。農林水産省が「8.4兆円の損害が出て国内農業が崩壊する!」とか、経団連が「これに乗り遅れたら、日本はさらに衰退する」とか・・・。

 

ま、その辺の話はおいといて、今回はTPPと医療の話

 

いきなりですが、貴方は次のどちらの店で服を買いますか?

A. オシャレでカッコいい高級ブランドがいっぱい!店員のサービスも抜群の高級店
B. 平凡だけどまずまずの品質。値段もほどほどの古くからある町の服屋さん

もちろん、Aに行く人もBに行く人もいるでしょう。「普段はBだけど、勝負服はAで」なんていうのももちろんアリ。でも、それは“ある程度お金がある人”の話。“お金のない人”は、行きたくてもAには行けないんです

 

こういう現象が起こる可能性がある、というのが日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会のTPP参加反対の理由です(2011年11月3日日経メディカル)。

 

具体的には、保険関係なしに至れり尽くせりの『株式会社○×病院』が出来る訳です。至れり尽くせりの○×病院は、サービス向上のために日本国内から優れた医者をヘッドハンティングしてきます。もちろん高額で。優れた医者の集まった○×病院は、当然ながら最高級の医療を提供します。これを国保で賄えればいいのですが、現実的には無理です。そこに登場するのがアメリカなどの医療保険です。この医療保険を使えば、○×病院で最先端の検査、最先端の治療を受けることができます。でも、この保険に入れるのは結局「お金持ち」だけ・・・。

 

これだけ聞けば、確かに「TPPに参入したら医療は崩壊する!」と思ってしまいそうです。 日医の原中勝征会長は11月2日の記者会見で「同じ内容の医療サービスを受けられる国民皆保険は、なくてはならないシステム。政府は『安心、安全な医療が損なわれないよう対応する』と言うが、抽象論にすぎない。TPPで風穴をあけられ、将来崩壊してはまずい」と懸念を示し、保険適用の診療と適用外の自由診療を併用する『混合診療」や、株式会社の医療参入についても認めないよう要望しています。

 

でも、これって『サービスが向上し、かつ自由に医療を選べる』という国民の利益に反する内容とも言えます。今の医療制度がいつまで続けられるのか、という問題もあります。また、医者側からしても“腕の良い医者の診療も、腕の悪い医者の診療も受けられる報酬は同じ”=“腕が良くても儲けられない”という、かつての“マルクス主義”に通じるようなモチベーションの上がりにくい現状が続いていくことを意味します(だから優秀な医者がどんどん海外に流れていってしまうんですね)。

 

この件に関して、ここで私見を述べるのは止めておこうと思います。実際、良いところがあれば悪いところもありますし・・・。何より今はTPPに参加するしないの話じゃなくて『TPPの話し合いが行われているカンファランスルームに入っていくことに決~めたっ』ってだけの話ですからね。「鎖国だ!」「いや開国だ!」みたいに盛り上がっちゃってますが、「そーじゃねーだろ」って冷静に見守りましょう。

 

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