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CRPについて考えてみました

みなさん、先日はAカンファに参加していただき有難うございます!今年も『戦う研修医』になるための“武器”を色々伝授(?)していこうと思います。何かリクエストがあったらどうぞ(^ω^)

 

あと、以前からアナウンスさせてもらっている『週間医学新聞』ですが、今回は管理人が書かせていただきました。もともとうつ病の診断を受けている44歳男性の“頭のジンジンする感じ”で、今までの病院では『慢性疼痛障害』・・・さて、貴方の診断は?

 

今回のAカンファで、CRPのことを話しました。管理人の研修医時代は、今一般化している感染症へのアプローチが広がりだした時代でしたので、「WBCやCRPを使って症例提示する奴なんて遅れているよね~」みたいな雰囲気がありました。「CRPを測定してわかることは、検査室がきちんと稼働しているということだけだ。」なんて、ティアニー先生の言葉に「おぉ~」となっていたものです(^_^;) でも、管理人の今のCRPに対する感覚は「使えなくはないし、敢えて測らないなんてもったいない」ってところです。

 

まず、CRPの長所と短所についておさえておきましょう。

 

CRP

 

CRPに関する報告は、概ね「単独ではあんまり使えない」というものです。ICU入院中の190人の患者における感染症の有無に対してカットオフ値は7.9mg/dLとした場合の感度67.6%、特異度61.3%という報告(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21440199)がありますが・・・「全然使えねぇ~」って感じですよね。どの報告も似たり寄ったりです。昨年BMJに掲載されたプライマリケアセッティングでの急性咳嗽患者3016人を対象とした報告(http://www.bmj.com/content/346/bmj.f2450)では、久々にCRPに注目した内容でした。『急性咳嗽の患者にCRP>30 mg/L(3 mg/dL)という情報を付加すれば、症状やcrackles、呼吸減弱などから分類された肺炎低リスク群、中間リスク群、高リスク群それぞれの肺炎に対する陽性尤度比は0.4、1.2、8.6』というものです。つまり、『低リスク群でCRPが3.0mg/dL以下なら肺炎の可能性は下がり、高リスク群でCRPが3.0mg/dL以上なら肺炎の可能性が高まる』というものです。結構心強いデータですよね(・∀・)

 

ただ、やはり一番大切なのは変動をみることでしょう。まずは、CRPと炎症性サイトカイン、プロカルシトニンの動態をおさえておきましょう。

CRP/PCT

 

見ての通り、CRPは感染初期には上昇しません。「さっき急にブルブル震えだして、熱を測ったら39℃でした!」みたいな方が受診する救急外来のセッティングでは、不向きなマーカーなんです。

 

ただ、「だから使えない」というと間違いです。値の推移をみることは非常に有用です。先程のICUからの報告では、毎日CRPを測定し、4.1mg/dl以上増加した場合、院内感染症の感度は92.1%、特異度は71.4%としています。また、Herzumらは炎症マーカーに関する総説に、「敗血症ではCRPの絶対値は予後の指標にはならないが、病態が改善されているかどうかのモニターとしては使用可能だ」と記載しています(Current Medicinal Chemistry 2008; 15: 581-587)。つまり、「使えない」のではなく「一回の測定だけでは何ともいえない」というのが正解でしょう。また、CRPに限らず感染症のパラメターは同時に同じ方向に動く傾向がありますので、「他のパラメターと一緒に動いているとき、そのCRPは評価に使える」ということです。逆にいうと「呼吸数や熱型、WBC等々と合わせて評価しないと何ともいえない」ということになります。

 

当たり前ですが、CRPは「炎症反応マーカー」ではありますが「感染反応マーカー」ではありません。「CRPが高いから重症感染症だ!」という考え方は間違いです。だからといって、「CRPなんて測るな!」なんて考え方は少し行き過ぎだと思います。感染症におけるCRPの動きを知り、他のパラメターと合わせて総合的に解釈する癖をつけておきましょう。

 

ちなみに、2014年4月現在のCRP測定の保険点数は16点(160円)で、検査項目としては結構お高めです。少し頭の片隅に置いておいて下さいね(^_^)

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