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「生気象学」・・・知ってますか?

最近テレビで“気象”が扱われることって、多くないですか?基本的に「何年ぶりかの“異常気象”!」みたいな取り上げ方がされているようですが、あまりに“異常気象”だらけで、何が“正常”で何が“異常”なのかよく分かりませんよね(^_^;) “異常”に関しては置いておいて、医療従事者が病気の説明、特に普段の病状が悪くなったときにも、よく天気が登場します。「台風が近づくと、調子が悪くなるんですよ。」「いや~、最近急に冷え込んできましたからねぇ。」つまり、「この症状は天気の影響で悪くなっているから仕方がないですね」という、天気のせいにしてしまうという身も蓋もないような言い訳・・・ま、ここまで言い切っちゃうのはマズいかもしれませんが、話す側には少なからずそういた面はあるのではないかと思います。でも、これってちゃんと説明しようと思うと、結構大変だと思いませんか?ちょっと調べてみました。

 

 

気象現象が人間に与える影響を研究する「生気象学」(biometeorology)という分野があります。気候と健康の関係は医聖ヒポクラテスの時代(ここでも登場!)から言われていたようですが、1955年の国際生気象学会第1回大会において「大気の物理的、化学的環境条件が生体に及ぼす直接、間接の影響を研究する学問」と生気象学が定義されました(結構な歴史があるのに、管理人は全然知りませんでした(/ω\))。

 

 

急なんですが、人の身体にはどれぐらいの空気の重さがかかっていると思いますか?答えは何と約16トン!途方もない重さに晒されているんです。気圧の変化は基本的に温度の変化によってもたらされるんですが、この計算式は難しすぎるんで省略(^_^;) とにかく、気温が高くなると空気が軽くなって低気圧になり、低温になれば空気は重くなり高気圧になります。天気が悪いというのも、原則的には変わりません。天気が悪くなるということは、簡単にいえば、高い気温で温められた海水や空気が蒸気となったり山にぶつかったりして上にあがっていき、冷たい上空で冷やされて水滴になって落ちてくる、という理屈です。そして空気が上にあがってしまったあとは、当然空気の量が少なくなるため“気圧が低い”状態になります。気圧の変化が体を圧迫するわけですから、気温が1℃変わるだけで、身体にかかる重さは大きく変動します。この変化、健常人なら身体が少し重く感じたり頭が痛くなったりする程度で大きな問題にはなりませんが、幼児や高齢者、病気の方にはかなりのダメージを与える訳です

 

 

実際にどのような影響があるか?例えば寒冷前線が通過するときは体温、尿量、脈拍数、好酸球数、赤沈値が変化することが知られています。また間脳―下垂体―副腎皮質系や自律神経系の緊張の変化が起こり血管平滑筋の緊張が変わるので、アレルギー反応、炎症反応が起こりやすくなります。その他、減圧によって体内にヒスタミンまたはヒスタミン様物質が動員され、体内の水分が貯留し、平滑筋の収縮、血管の透過性、炎症反応が増強するため、気象病が誘発されるとする説も言われています。具体的には関節リウマチ、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、気管支喘息、急性虫垂炎、胆石症、感冒、うつ病などですが、めまい、立ちくらみ、頭痛、倦怠感、血圧の変動、神経痛などもよく経験します。また、何故そうなのかは完全には分かっていないようですが、統計学的には高気圧が発生すると自律神経が活発になり、低気圧だと不活発になると言われていますので、それに付随した様々な症状を呈する訳です。もちろん、自律神経はこういった変化の他に外部からの様々な情報の処理にあたっていますので、湿度が高くなったり日照時間が短くなったりすると、その情報に合わせて交感神経と副交感神経の調節を行いますので、日本のように四季の変化が激しい場所では、自律神経は大忙しです。そういう意味では、季節の変わり目に「いや~、自律神経失調症ですね(=_=)」は、あながち間違っていない訳ですね。

 

 

最後に治療ですが・・・ぶっちゃけ、起こることは仕方がありません。身も蓋もない言い方ですが、これはある意味体質のようなものですし、移りゆく季節に文句をつけてもどうしようもありません。『人体は宇宙の縮図であり、体調の変化が宇宙における変化の影響を受けるのは当然である』というインドの伝統的医学アユルヴェーダの考え方は、正に言い得て妙です。ただ、『起こりやすい人』と『起こりやすい時期』は分かります。

 

『起こりやすい人』

 

  • 自律神経に負担のかかっている人:更年期女性、若い女性、高齢者、冷えの酷い人、睡眠サイクルが良くない人、疲れが溜まっている人
  • ヒスタミン依存性の既往のある人:花粉症、喘息、蕁麻疹
  • 日照時間の低下によるもの:うつ病
  • 炎症反応に依存した病態の人:膠原病関連疾患、腰痛症、変形性関節症
  • 心血管系のリスクが高い人:心筋梗塞、脳梗塞、脳出血

 

『起こりやすい時期』

 

  • 急激な気圧変化(特に低気圧)が起こった時:梅雨、台風
  • 急激な気温低下が起こった時:11月末~12月

 

対処法は『自律神経を刺激しない』ことと『早めにアレルギー対策をする』です。ありきたりの内容ばかりですが、とにかくこれを「低血圧が近づく前」「気温が急激に下がる前」から指導しなければいけないのがポイントです

 

  • 安静を心がける(光刺激や音刺激を避ける)
  • アロマなどでリラックス
  • 身体を冷やさない(夏場のクーラーも要注意!)
  • 十分な睡眠をとる
  • 自律神経訓練法(http://www.welllink.co.jp/health_info/autonomy/autonomy01.html)
  • 意識してゆっくり呼吸する(最も簡単な自律神経訓練法)
  • 低血圧の人:血管を収縮させる(コーヒーや紅茶、患部を冷やす、塩分をとる)
  • アレルギー体質の人:早い時期から抗アレルギー薬を飲む

 

 

もしかしたら、医療者こそ天気予報をこまめにチェックしなければいけないのかもしれませんね(^-^)

 

今年も押し迫ってきました。寒い日が続きますが、病気の最前線に立つ皆さんこそ、お身体ご自愛下さい。

 

taifu8gou

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