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プライマリ・ケアの基本は、やっぱり糖尿病でしょ(゚∀゚)

管理人の都合で少しブログの更新が滞ってしまいましたが、今年度もマイペースでアップしていきますのでよろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

さて、新年度一発目は、基本に返って『2型糖尿病患者の血糖管理』についてです。米国糖尿病学会(American Diabetes Association; ADA)が発行する『Diabetes care』に、ADAと欧州糖尿病学会(EASD)が作成した、2015年版のPosition Statementが掲載されました。これは、もともと2012年に発表された同内容をアップデートしたものです。前回のPosition Statementが発表された段階では、DPP-4に関するデータの蓄積が十分でなかった上に、その後に一般化したSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬についての考察があまりされていませんでしたので、主にそれらの知見が加わっています。

 

『Management of Hyperglycemia in Type 2 Diabetes, 2015: A Patient-Centered Approach』

 

ポイントだけをサラッと・・・。

 

今回のPosition Statementの特徴は「患者背景によって、目標とするHbA1cの値を変えましょう」というものです。従来の目標値は、2013年に日本糖尿病学会が発表したガイドラインの改訂版に採用されている以下のものです。

 

【血糖コントロール目標値】

血糖コントロール目標

 

非常に簡潔で使いやすい表ですが、これは「目標は患者背景を考慮して自分で設定してね」といった、『現場にお任せ』な感の強いものでした(これはこれでいいのですが)。

 

それに対して、今回の報告では、「患者や疾患の特徴を考慮した目標値を設定するべきだ」とし、『罹患期間』、『平均余命』、『併存疾患』、『個別の血管合併症』といった“通常は変更できない要素”と、『患者の心構え』、『治療への期待』、『資金的なサポート』といった“もしかしたら変更でいるかもしれない要素”でそれぞれの目標値を設定するように勧めています。まだ厳格な目標値を定めるまでには至っていませんが、恐らく今後各国のガイドラインでも検討されていくと思われます。

 要素別血糖目標

 

もちろん、薬に関しても検討されていますが、「初期治療/単独治療にはメトホルミン」という姿勢は全くぶれていません(腎機能障害患者以外に対しては、低コストや安全性に加え、体重を増加させないことや心血管系イベントに対するアウトカムの良さを強調しています)。次の一手である併用療法に関しては3ヶ月治療して目標のHbA1cに到達できなければ、リスクに応じて『スルホニル尿素<チアゾリジン<DPP-4阻害剤<SGLT2阻害剤、<GLP-1受容体作動薬<基礎インスリン(中間型~持効型インスリン)』の順番での使用を推奨しています。α-GIに関しては、効果について疑問視され、「特別な場合を除き使用をすすめない」とのことです(食後高血糖の症例では、どうしても使いたいところですが(^_^;))。ここまででコントロールがつかなければ、『中間型+持効型インスリン+GLP-1受容体作動薬』でのコントロールのみが選択肢になっているところも、日本人にはちょっと馴染み薄ですよね(^_^;) さらにコントロール不良な場合は“basel+bolus”(中間型か持効型+適宜速効型)、もしくはインスリンポンプを使用・・・といったところは、特に変更ありません。

 2型DM治療

 

最後に、インスリン導入についてのわかりやすい表が載っていたので紹介しますね。一般的に、1型糖尿病ではインスリン分泌が基礎分泌と追加分泌の両方が消失するインスリン依存状態に至るため、速効型あるいは超速効型インスリンを毎食前3回、中間型または持効型インスリンを眠前1回投与する必要があります。以前は、2型糖尿病で基礎分泌が維持されている時期も速効型あるいは超速効型インスリンの食前投与により追加分泌分のみを補充する強化インスリン療法が行われていましたし、現在でもインスリンの基礎分泌まで低下した症例では1型糖尿病に準じた治療を行います。でも、今の流れは完全に「まずは中間型もしくは持効型インスリン」です。はじめに十分な基礎分泌インスリンを補充して、追加分泌インスリンの調節はそれから・・・というのが今のトレンドです。初回の投与量や、コントロール不良例のインスリン増減、速効型インスリンや混合型インスリンの追加投与のレジメに関しては以下の通りです。

 インスリン

その他、BOT(Basal supported Therapy)療法、BOT plus療法、Basal-Bolus療法など、糖尿病の治療は日進月歩です。我々は常に、“今の当たり前”にアンテナをはておく必要があります

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