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“血液培養”していますか?

当院でも、血液培養がかなり定着してきました。当科の外来から入院してくる症例はもちろんですが、救急外来から入院してくる症例の多くも、血液培養が施行されています。科の創設以来、「何をおいても血液培養!」と言い続けてきた当科としては喜ばしい限りです。よく「え、こんなのケツバイしなくたっていいでしょ?!まったく、何でもかんでもケツバイケツバイって・・・」って言われたなぁ(^^ゞ

ここで、もう一度“血液培養の意義”についておさらいしましょう。

<目的>
・菌血症の確定診断
・心内膜炎や骨髄炎など感染部位からの検体採取が困難な疾患における起因菌の検出
・原因不明の病態検索のための補助診断

<採取の適応・タイミング>
・体温38.5℃以上でshaking chillを伴う場合(陽性率33%)、もしくは低体温
・白血球数が12,000以上または4,000未満
・静脈注射で抗菌薬を使う場合
・severe high feverの場合
原因不明の病態(意識障害、低血圧など)
・突然変調を来した高齢者もしくは小児
・免疫抑制患者での原因不明の呼吸不全・腎不全・肝障害
・昏迷などの意識の変調(特に高齢者)
・代謝性アシドーシス 、もしくは原因の分からないアルカローシス

<採取時の注意点>
・培養用の血液は、動脈ではなく静脈から採取するほうが望ましい(Clin Infect Dis. 1996;23:40-46)。
・血管カテーテルからの採取はコンタミ率が高くなるので避ける(J. Clin Microbiol. 2001;39:3393-3394)。
・採取した血液は好気/嫌気ボトルに同量ずつ分ける。採血量が少ない場合は、まず好気ボトルに接種する(菌血症の多くが好気性/通性細菌に起因するため)。
・注射針と注射器を使用する場合は、最初に嫌気ボトルに接種して空気混入を防ぐ。
・血液からの微生物検出率は、30mLまでは採取量が増えるごとに高くなる(Clinical and Laboratory Standards Institute (CLSI); 2007)。
ボトル注入時に針を付け替えても、コンタミ率に有意差は出ない。むしろ針刺しの危険もあるので針は付け替えないこと。
・培養の診断感度は、最初の1セットでは73.2%、次の1セットを合わせると93.9%、3セット累積すると96.9%。99%以上の血流感染症検出率を確保するには、4セットが必要になる(J Clin Microbiol. 2007; 45:3546-3548)。

<コンタミネーションの解釈>
・Bacillus spp.、Corynebacterium、Streptococcus viridians 、Propionibacterium spp.などは一般的な皮膚定着菌であり、易感染状態でないかぎり重篤な感染症を起こすことはほとんどないので、1セットのみの陽性はコンタミネーションと判断する。
CNSも多くは皮膚定着菌だが、20%程度の症例で優位な原因になり得る(J Clin Microbiol. 2002;40:2437-2444 )。
・血培のコンタミは、不要な抗菌化学療法、入院期間の延長、医療費増大を招く可能性がある(JAMA. 1991; Vol. 265 No. 3:365-369)。

<消毒方法>

血液培養時の消毒は、アルコールでも構わないし、イソジンでも構わない。アルコールは即効性があるが持続性がなく、イソジンは即効性がないが持続性があるので、コストのことを考えると早く出来る自信があればアルコールの方がいい(Comparison of Four Antiseptic Preparations for Skin in the Prevention of Contamination of Percutaneously Drawn Blood Cultures: a Randomized Trial Clin. Microbiol. 2002;40:1660-1665.)。
・現時点で「絶対にこちらを使うべきだ」という積極的なデータはない。

どうです?結構勘違いしていることもあったんじゃないですか?もちろん正しい方法でやることも大切ですが、研修中に何より大切なのは『血液培養はすごく大切』ということを脊髄反射のレベルで身体に刻み込むことだと思います。

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