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「ガクガク、ブルブル((゚Д゚ll))」に注意です!

一年目の先生は、そろそろ救急外来に慣れてきましたか?もしかしたら、一回ぐらい“痛い目”にあってるんじゃないですしょうか?軽々しく“痛い目”なんて書いたら、それで被害?を受けた患者様がいらっしゃったら申し訳ないのですが、そういった“痛い目”は、必ず皆さんの力になりますし、これから先に出会う患者様の幸せに繋がります。

 

さて、そんな“痛い目”の代表選手として『敗血症』がありますよね。「ウイルス感染症だと思ったら腎盂腎炎からの敗血症!」とか「抗菌薬に何となく反応しているから安心していたら感染性心内膜炎!」みたいな、ありがちな“落とし穴”が沢山あります。これ、救急外来に限りません。一般外来でも「何となく元気がない高齢者」が、実は敗血症だった・・・なんて日常茶飯事です。医者をしている間は常につきまといますので、「これ、もしかして敗血症かも!?」といった感覚は、今のうちに磨いておかなければなりません

 

というわけで、「敗血症かも!?」の感覚を磨く一つの材料として、総合診療の分野では有名な論文を紹介します。ご存知、独立行政法人地域医療機能推進機構本部の徳田安春が沖縄県立中央病院にいらっしゃった時に発表された“The degree of chills for risk of bacteremia in acute febrile illness.”という論文です。悪寒戦慄がどの程度敗血症の診断に寄与するかを検討した前向き試験です。

 

この論文の紹介をする前に、『寒気(chill)』の程度をしっかり分けておく必要があります。一般的には以下のように分類されます。

 

mild chills(chilly sensation): 寒気:上着を羽織りたくなるくらい

moderate chills(chill): 悪寒:分厚い毛布を羽織りたくなるくらい

shaking chills: 悪寒戦慄:分厚い毛布を羽織っていても全身が震えるくらい

 

患者様が「寒気がした」と言われた場合は、まずこれらの分類に当てはめるための“閉じた質問”が必要になります。

 

これを踏まえた上で、前出の論文を読んでみましょう。沖縄県立中央病院の救急外来を受診した患者のうち、15歳以上で38.0℃以上の発熱を認めた526人の患者のうち40人(7.6%)が菌血症でした。65人(12.4%)はshaking chill、100人(19%)がmoderate chill、 105人(20%)がmild chillを認めました。悪寒がない患者と比べた場合、菌血症のリスクはshaking chillで12.1倍、moderate chillで4.1倍、mild chillsで1.8倍であり、shaking chillの菌血症に対する感度は87.5%、特異度は90.3%、陽性尤度比は4.65、陰性尤度比は0.24と報告しています。その他のデータは以下の通りです。

 

おかん

 

他の報告と比べるとちょっと良すぎるデータのような感じもしますが、今までの報告がこのように悪寒を厳密に分類したものではないことを考えると、この報告はむしろ信用性が高いと思います。

 

少なくとも「寒気がして布団に潜り込んでブルブルしていました(>_<)!」みたいなことを患者様が言われたら、「moderate chillsか!?じゃあ、ただの熱の人より4倍以上菌血症の可能性が高いかも!?」なんて考えられたら、自然と血液培養をオーダーする機会も増えてくると思いますし、“痛い目”をみることも減るんじゃないかと思います。参考にしてみて下さいね(・∀・)

 

ちる

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