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大名行列

当科では毎週月曜日の午後、教授回診が行われます。一般的な教授回診は、研修医の先生や若手のスタッフがベッドサイドでプレゼンテーションを行うことが多いと思いますが、当科では患者様のプライバシーを配慮するため、回診前に全てのプレゼンテーションを済ませてしまいます。このスタイル、個人的には好きです。まぁ、患者様のことを全く知らない状態でプレゼンテーションを聞かされている(?!)学生さんには堪ったものではないでしょうが(^^ゞ

 

さてさて、この教授回診。よく“大名行列”などと揶揄される、多くの患者様にとって有難くない大病院特有の不思議な儀式です(“儀式”と言いきってしまうことには反論もあるかと思いますが…)。きっと「財前教授の総回診~」みたいな『白い○頭』の影響も大きいのかな?実際、昭和時代の教授回診は、先頭に婦長が立ち、教授・助教授・講師・病棟医長が並び、その後ろに年次順に医局員・研修医・学生と…まさに大名行列。恐ろしいまでの“hierarchy”です。もちろんその時代を体験した訳ではありませんので実際のところは分かりませんが、きっとやっている側の教授は気持ちいいんだろうな~と思いますし、周りの医者も「いつか自分も!」って思っていたと思います。

 

 

今の教授回診は(少なくとも当科は)全く趣が異なります。感覚的には『患者様の情報を共有し、診断や治療に対してのアドバイスをもらう場所』といった感じです。じゃあ、わざわざ大人数で狭い部屋に入っていく意味なんてあるの?…無くはないです(いきなりトーンダウンしますが汗)。ぶっちゃけ、いくら教授といえども5分そこらの診察で患者様の診察が劇的に進むわけでも、何か画期的な治療が行われるようになるわけでもありません。ただ、『どういう所にポイントを置いて病歴を聴取し診察を行うか』というところは非常に為になりますし、仮にその患者様の診療に寄与しなくても、それが他の患者様の利益に繋がることは経験します。特に、当科の両教授は一般的な教授回診に比べて詳細に問診を行い身体所見をとられますので、ハッとさせられることもしばしばです。

 

でも、患者様からしたら「おうおう、これが噂の“大名行列”ってやつだな!」といった興味本位の気持ちはあるにしても、「教授サマに診ていただけるなんて有り難や有り難や…」何て気持ちはそんなにないんじゃないかと推測します。むしろ、「いきなり知らない医者が来て、自分の体を触って、他の医者にも触らせて、小難しいことを言いながら出ていった」くらいの感覚なんじゃないでしょうか。

 

そうまでして教授回診をする意義って何なのでしょう?色々な解釈はあると思いますが、個人的には“現場責任者の顔見せ”が、最も大きな意義なのだと思います。「ここの責任者は私なので、もし何かあれば責任とりますよ」とアピールすることにより、患者様に安心していただく効果があるのじゃないでしょうか?何か事が起きてから責任者がやっと登場するようでは、ますます不信感が強くなる可能性がありますし…。そう考えると、診療内容の向上がどうこうというより、患者様の満足度向上という意味で、教授回診というのは必要なものなのだと思います。

 

結局、医療って“サービス業”なところもあるんですよね。だから、現代の“大名行列”は、きっとそんなもんです(´∀`*)

 

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