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脳卒中急性期の降圧

「救急室での脳梗塞の降圧って、どのレベルまですればいいんですか?」って質問を受けました。一応それなりの返事はしたつもりなのですが(“それなり”って(+o+)?!)、やっぱりしっかりしたデータを提示しないのは、総合診療医の端くれとしてはマズい・・・。

 

『脳卒中合同ガイドライン委員会編/医療・GL(09年)/ガイドライン』では、急性期の血圧管理を以下のように提示しています。

 

・脳梗塞急性期は、解離性大動脈瘤、急性心筋梗塞、高血圧性脳症などを合併していない限り、原則的に降圧療法は推奨できない(グレードC)。
・収縮期血圧220mmHg以上、または拡張期血圧121mmHg以上、または平均血圧130mmHg以上の過度の高血圧では点滴による降圧療法を考慮する(グレードC)。
・血栓溶解療法を予定する患者では、一定のレベルまで降圧することが推奨される(グレードB)。

 

これは、当院の救急外来で行われている基準とほぼ同じですし、今日管理人が説明した内容と同じでした(^^ゞ

 

実際に降圧したらどうなの?これに関しては“CHHIPSトライアル”があります。

 

Controlling hypertension and hypotension immediately post-stroke (CHHIPS): a randomised, placebo-controlled, double-blind pilot trial: The Lancet Neurology, Eaely Online Publication, 4 December 2008 doi: 10.1016/S1474-4422(08)70263-1.

 

急性期脳卒中患者のうち、収縮期血圧>160mmHgの179人に対し、labetalol(αβ遮断薬)経口(n=58)、lisinopril(ACE-I)経口(n=58)、およびプラセボ群(n=63)に無作為に振り分け、プライマリアウトカムである発症2週後の死亡率は、積極的治療群で61%、プラセボ群で59%と有意差はなく、神経学的所見の悪化や重篤な合併症の増加も認めませんでした。しかし、3箇月後の死亡率は、積極的治療群の9.7%に対してプラセボ群で20.3%で有意差が出ています。ただ、あまりにもnが少ないので、このデータだけで「やっぱり下げたほうがいいじゃん!」とはなりませんのでご注意を。

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