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苦手を得意に-高カリウム血症-

お馴染み(?)のモーニングレクチャーがありました。今月は腎内科の先生方が担当されています。正直・・・苦手な領域です(-_-;)総合診療の分野でももちろん大切な話なので時々勉強会には参加するのですが、「・・・(-.-)」って感じでフリーズすることもしばしばです(失礼!)。でも、今回の腎内科の小出先生のレクチャーは、すっと頭に入ってきました。テーマは『高カリウム血症』です。

 

□糖尿病、CKD、高血圧など最近のガイドラインはとにかくACE-I/ARBを推奨→高カリウム血症に出会う機会も多くなっている。心不全患者に対するスピロノラクトンの有用性を証明したRALE試験でも、試験後の高カリウム血症の増加が報告されている。

□カリウムの代謝は“体外からの摂取”“細胞内外のシフト”“腎からの排泄”“消化管からの排泄”が関与している。その中で急性調節は“細胞内外のシフト”慢性調節は“腎からの排泄”がメイン。

□カリウム摂取過多単独で高カリウム血症になることは稀。一応生野菜、生肉、果物、穀物類、野菜ジュース、アボガド、青汁などなどに注意。点滴からの投与過多に注意。

□“細胞内外へのシフト”(急性調節)に影響を与えるのは①インスリン:Kを細胞内に移行、②β2カテコラミン(および甲状腺ホルモン):β2受容体を介して、細胞膜のNa/K ATPaseを活性化し、Kを細胞内に移行、③酸塩基平衡異常:代謝性アルカローシスや代謝性アシドーシス、④その他:横紋筋融解症や溶血などの細胞壊死、高血糖などのhypertonicity、サクシニルコリン使用時の持続脱分極、高カリウム性周期性四肢麻痺→“相対的インスリン不足”“無機酸アシドーシス”“細胞崩壊”“高浸透圧血症(高血糖)”が主な原因

□“腎からの排泄”(慢性調節)は、高カリウム血症最大の原因。GFRが15ml/min以下で起こる。

□“腎からの排泄”のポイントは①カリウムのほとんどが近位尿細管で再吸収をうける、②カリウムの排泄量調節は主に皮質集合管の主細胞で行われている、③皮質集合管でのアルドステロン分泌のバランスが重要

□皮質集合管でのカリウム排泄に重要な因子は①Na(尿量)の皮質集合管への十分な到達:脱水で低下し利尿剤で促進、②尿細管管腔内陰性電荷の形成:重炭酸イオンなどの非再吸収性陰イオンの尿中増加、③アルドステロン作用の増強→“遠位尿細管流量低下”“低アルドステロン症”“偽性アルドステロン症”“高カリウム血症性尿細管アシドーシス”が主な原因

薬剤性高カリウム血症も注意!①摂取増加:カリウム製剤、高カロリー輸液、保存赤血球、ペニシリンG、②細胞内外シフト:βブロッカー、静注用アミノ酸製剤、サクシニルコリン、③排泄低下:スピロノラクトン、NSAIDS、ACE-I、ARB、シクロスポリン、ST合剤、ペンタミジン、ヘパリン・・・

□高カリウム血症の治療ステップは①不整脈への対応→Ca製剤投与、②急性調節を利用した細胞内へのシフト→インスリン、(β刺激薬)、③慢性調節を利用した体外への排泄→利尿剤、吸着剤

□不整脈に対するCa製剤はもちろんカルチコール。5分以内に効果が出るが、持続はせいぜい2時間程度。

□細胞内外へのシフトに対してはGI療法(50%ブドウ糖40ml+レギュラーインスリン10単位)、重炭酸ナトリウム(ナトリウム負荷になるため心不全・腎不全では注意)

□GI療法に抵抗性の高カリウム血症は細胞崩壊(出血、溶血、横紋筋融解)を疑う

□体外への排泄促進は利尿剤(体液量過剰がなければ生食と併せて投与)、イオン交換樹脂、血液透析。

 

“急性調節”と“慢性調節”に分けて原因や治療を考えるといいんですね。勉強になりました。以前もお知らせしましたが、来月は当科が担当します。みなさん是非参加して下さい)^o^(

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