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『急に・・・』と戦う!

今回のAカンファのタイトル、訳わからないですね〜。参加していただいたみなさん(毎回沢山の方に参加していただいて本当に感謝です)はもちろん分かると思いますが、『急性増悪』のことです。研修医のみなさんが救急外来で対応している症例の多くは、重症軽症に関わらず『急性増悪』のことが多いと思います。また、夜間病棟からのコールの内容もそうです。絶対抑えておきたい内容です。今回は気管支喘息、COPD、慢性心不全、慢性腎不全の『急性増悪』を扱いました。

<気管支喘息>
 気管支喘息の死亡率は年々減少してきているけど、死亡者の約半数は、重度の発作を軽発作だと思い適切な治療がされなかったため
 気管支喘息を疑う所見は①発作性呼吸困難、喘鳴・咳の反復、②可逆性気流制限、③気道過敏性亢進、④アトピー素因、⑤気道炎症の存在、⑥その他の疾患の除外だけど、救急外来で出来ることは①と⑥。特に⑥に全力で。
 急性増悪を疑う時に確認することは『喘息が悪化するまでの経過』『随伴症状の有無』『来院までの治療歴』『生活歴』『今までの喘息入院歴/挿管歴』など。
 鑑別対象はCOPD急性増悪、気管支拡張症、異物誤嚥、肺炎、肺塞栓、胃食道逆流症、虚血性心疾患、うっ血性心不全アナフィラキシー声帯機能不全、過換気症候群、うつ病など。
 Wheezingは強制呼気で聴取。見落とし厳禁!β2刺激薬吸入前後でPEFが20%以上変動した場合は、早めの呼吸器内科受診を。
 JGL2009では軽症例はβ2刺激薬の吸入(吸入ステロイドは導入を考慮する)、中等症はβ2反復吸入とステロイド投与、重症例はβ2反復吸入、ステロイド投与にエピネフリン(0.3ml)の投与を検討、重篤症状は挿管やNPPV(非侵襲的陽圧換気療法)といった呼吸循環管理を推奨。

<COPD>
 一番新しい呼吸器学会ガイドライン(第3版)では、『メインの原因はタバコ』と言及している
COPD単独で死亡することより、気管支炎・肺炎による急性増悪死亡の方が圧倒的に多い
 COPDの身体所見は気管短縮、胸鎖乳突筋肥大、鎖骨上窩吸気時陥凹、外頸・内頸静脈の呼気時怒張、吸気時虚脱、口すぼめ呼吸、ビア樽状胸、心拍最強点の剣状突起下触知 、Hoover徴候、前かがみの起坐呼吸。
 急性増悪の原因は感染症が50〜60%、大気汚染が10%、原因不明が30%(1/4が肺塞栓?)。細菌感染で多いのがインフルエンザ桿菌、肺炎球菌、モラキセラで、緑膿菌は以外に少ない
否定すべきはうっ血性心不全、気胸、気管支喘息、肺塞栓
 治療の基本は“ABC”アプローチ(antibiotics, bronchodilators, corticosteroids)

<慢性心不全>
 急性増悪の原因は基礎疾患の増悪や感染症などの併存疾患の発現も多いが、治療薬の副作用や急速点滴などによる医原性も多い
 夜間呼吸困難は『比較的寝入りっぱな(就寝後1~2時間)』『ガバッと起きて息が楽になる』『酷い時は立ち上がり、窓を開けて新鮮な空気を吸いたくなる』
 頸静脈圧は45度の傾斜で座ってもらい、頸静脈の拍動が観察できる一番上のところが胸骨上縁から垂直方向に測って何センチの高さにあるか。4.5cm以下⇒正常 4.5cmより高く9cm以下⇒右室不全 9cmより高い⇒両心室不全
 気合を入れてⅢ音をゲットしよう。まず脈をとり同時に心音を聴取。触知する脈の僅かに先行する心音がⅠ音で、Ⅱ音の後にかすかに聞こえる過剰心音(ゲップを我慢するような音)がⅢ音。
急性増悪はWet & Warm。うっ血所見と低灌流所見を見逃さない。
 絶対確認しなければいけないのは病態の進行を止める意味での急性心筋梗塞や急性弁逆流症、うっ血解除の過程で容易に露見しやすい大動脈弁狭窄症や肺高血圧症(肺塞栓を含む)、経過の予期が困難な急性心筋炎。
 Wet & Warmで心臓ばかりを頑張らせてはダメ! でも、『うっ血解除→低心拍出出現』と考えて動け!

<慢性腎不全>
 慢性腎不全はCKDステージ4以上(GFR:29mL/分/1.73㎡以下)。Crの逆数をとって急性増悪の時期と透析導入の時期を予測しておく。
 急性増悪因子は感染、脱水、薬剤(抗菌薬、RA系阻害薬、造影剤、NSAIDS)、手術、原疾患の増悪(糖尿病、膠原病、慢性子球体腎炎)、合併症の増悪(糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症)。
 慢性腎不全の急性増悪では一般的な既往歴以外に学校検尿・健診歴、妊娠出産時の状況、手術歴、輸血歴、咽頭炎や扁桃腺炎の罹患歴(可能な限り過去のCr値の情報を収集)なども聴取すること。
 全身性浮腫が足に→2~3Lの体液貯留で600mEq以上のNa貯留(1g=17mEqなので35g)。全身性浮腫→3~4Lの体液貯留 1000mEq以上のNa貯留(60g)。ちなみに、肺性心の人は心房性Na利尿ペプチド(ANP)の腎臓での作用がブロックされているので、いつもより少ない塩分でむくむ。
高カリウム血症、肺水腫、重症アシドーシスは、腎機能に関わらず緊急透析を考慮

とっても大切な内容なんで、抑えておいて下さいね・・・って、Aカンファのサブタイトル『“General Mind”を持った研修医を目指そう! 』からはちょっとズレちゃっていますね。ま、いいか(#^.^#)

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