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困ったときに“漢方”はいかが?

大学病院の初診外来をやっていると、開業医の先生から治療になかなか反応せず、困って紹介いただくことが多々あります。その場合、薬が処方され尽くされていることが多いんですよねぇ。正直、次の選択に悩みます(~_~;)その際、頼りになるのが漢方薬です。管理人は漢方については素人ですが、「じゃあ、とりあえず漢方薬で様子みてみましょうか」に、随分助けられています。

 

そもそも西洋医学と東洋医学の違いとはなんでしょう。西洋医学の考え方は『二元論』、つまり“フィジカル”と“メンタル”を別々に考えます。身体をパーツに分けて、パーツのどこが悪いかを考え、それに対しての処方をします。それに対して東洋医学は『心身一如』という考え方です。「気持ちと身体がリンクしている」ということですが、「気が抜けたら風邪をひいちゃった」みたいな、我々が日常よく使っている感覚に近いものです(以前このブログで取り上げた『心身相関』と通じるものがありますね)。身体をパーツに分けず、今ある状態を『証』で表現し、その『証』をベストな場所(『中庸』)に導くことで治療を行います。『証』の表現はある程度の慣れが必要で、管理人もあまり分かっていませんが、大雑把に以下のようなものがあります。

 

八網(はっこう):表裏寒熱虚実陰陽
気血水
三陰三陽

 

まず『八網』についてです。『表裏』は身体の部位です。『表』は体の表面、つまり皮膚、関節のことで、『裏』は胃、腸、肺といった身体の奥のことを表します。また、気管、口腔といった『表』と『裏』の中間に存在する臓器は『半表半裏』と表現します。『寒熱』は読んで時の如く、「冷えているか熱ぽいか」を表す『証』です。この『表裏』と『寒熱』の組み合わせで、4通りの『証』が表現できる訳です。例えば、「捻挫して痛がっている少年」は、関節(『表』)が腫れている(『熱』)訳ですから、この少年の『証』は『表熱』と表されます。「寝冷えしてお腹が痛い女性」なら、腸(『裏』)が冷えている(『寒』)ので、この女性の『証』は『裏寒』です。同様に『虚』「何かを足してあげれば丁度いい状態」『実』「何かを引いてあげれば丁度いい状態」を表します。『陰陽』は、「宇宙のすべての事物は、陰陽という、相反する性質、運動を内在しながらも調和することにより正常が保たれている」という、中国独特の考え方に基づくもので、我々は『陰=湿っている』『陽=乾いている』といった程度の理解でいいと思います(例:老人性掻痒症→“湿り気”が“足りない”→『陰虚』)。

 

次に『気血水』です。『気』は元気、気合い、病気、根気など一般的に使われている言葉です。『気』が全身に均一に分布しているのが『中庸』の状態で、大きく分けて『上衝(気逆)』、 『気鬱』『気虚』の3種類に分類されます。『上衝(気逆)』は“気が頭にある状態”、つまり“カッとなった状態”を表します。“気がみぞおち辺にある状態”が『気鬱』で、“気持ちがふさいだ状態”です。『気虚』は『気鬱』との違いが難しいですが、“気力が失せている状態”のことをいいます。『血』『お血』『血虚』で表現されます。『お血』は“血のめぐりが悪い状態”のことで、“華奢な女性のイメージ”といったところです。『血虚』は『イコール貧血』といった印象になりそうですが、実際は“栄養が隅々まで行き渡っていない”、つまり“栄養が足りていない状態”を表します。『水』は、読んで字の如く“体の中の水分”のことで、『水』が均等に分布しているのが正常で、それが偏在している状態を『水毒』といいます(例:二日酔いの朝は手足はパンパンだけど喉はカラカラ)。

 

漢方みたいな奥深い世界を、一回のブログで書こうなんて虫が良すぎることに今気付きました(^^ゞ今後も折りに触れて取り上げていこうと思います。

 

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